2016年末にIR法(カジノ法案)が成立・施行されました。
全国各地が候補地として名乗りを上げ、いまでは大阪の一か所に絞られました。
(長崎のハウステンボスも候補地でしたが、残念な結果に)
ただし、まだまだ前途は多難な状況です。
日本でカジノを開業することに対して、ギャンブル依存症患者が増えることを懸念する声も多いですね。
反対に、まだ心配するような段階ではないと思う人もいるでしょう。
すでにたくさんいるパチンコ・パチスロ依存症の人に比べたら大したことじゃないなんて人も。
ただし、まだ日本に合法的にカジノ賭博ができる施設はありません。
公には。
違法な闇カジノ・裏カジノなどは全国の都市部を中心にかなりの数があるようですが・・・。
それより、今カジノでギャンブルするとなったら、オンラインカジノがメインですね。
そして詳しい数値まではわかりませんが、すでにオンラインカジノ依存症にかかっている人は少なくないようです。
そこで、オンラインカジノ依存症がどんなものなのか?もし自分や知人が依存症になったらどうすればいいのか?についてまとめました。
オンラインカジノ依存症とは?
オンラインカジノ依存症とは、ほかのものを犠牲にしてでもオンカジに没頭(依存)してしまう症状・病気です。
毎日のように深夜までオンラインカジノをプレイしていて、仕事中に眠くなるという悩みを抱えているケースもあるようです。
多くの依存症患者や予備軍の人たちは、それぐらいなら問題はないと考えいつでも治せると楽観視しがちです。
そもそも、自分が依存症になっているなんて本気で思っていないわけですね。
でも、依存症になってしまったらそう簡単に解消できるものではありません。
IR法案を議題とした討論でも、依存症対策が最重要課題として挙がるぐらいですからね。
オンラインカジノで遊んだことがない、カジノ賭博店に行ったことがないなら、競馬や競艇といったギャンブルと同じレベルの依存度があると思っておきましょう。
ただ、人によってはそれらよりも依存症の度合いがはるかに高い場合もあります。
なお、オンラインカジノって違法じゃないの?と思っている方はこちらの記事を参考にしてください↓
テレビやインターネット上では違法と言っている人もいますが、現状の合法性について詳しく解説しています。
ギャンブル依存症の度合いが悪くなりがちなオンラインカジノの特徴
大きく3つの理由があります↓
- 場所を選ばずどこでも遊べてしまう
- 24時間365日遊べてしまう
- 1回のベット額上限が高額で一攫千金も狙える
依存症になりやすい理由1.場所を選ばずどこでも遊べてしまう
第一の理由として、いつでも手軽に遊べることが挙げられます。
いまどきスマホを持っていない人のほうが少ないくらいなので、スマホで通勤時間や小休憩はもちろん、仕事中にだってひと勝負できてしまいます。
またプレイにはチップやコインが必要ですが、いつでも手軽に購入が可能です。
ほとんどのオンラインカジノではクレジットカード入金に対応していますし、エコペイズやヴィーナスポイントなど世界共通の電子決済サービスも使えます。
日本でメジャーなJCBカードに対応するオンラインカジノが少ないのはある意味救いと言えるかもしれません。
依存症になりやすい理由2.24時間365日遊べてしまう
第二の理由として24時間365日いつでもプレイできることも挙げられます。
依存症対策の面からするとこれはやっかいな便利さですね。
年末年始のような多くの賭博場が休みの期間でも、こたつに入りながらだらだらと遊べてしまいます。
以前はパチンコ・パチスロならお店まで行かなければできかなったのに対し、この自由度は依存症悪化に繋がりやすいと言えるでしょう。
(最近はパチンコ・パチスロが遊べるオンラインカジノも登場していますが)
オンラインカジノにはまっている人は常に誘惑に晒されている状態です。
依存症になりやすい理由3.1回のベット額上限が高額で一攫千金も狙える
とにかくほかのギャンブルより超が付くほどの高額当選が狙えてしまうオンラインカジノ。
競馬なら万馬券が当たれば億も狙えますし、宝くじでは数億円獲得できる可能性があります。
そして、それはオンラインカジノでも同じ。
オンラインカジノには射幸心を煽るジャックポット機能が付いたスロットが数十種類以上用意されています。
それらのゲームでは世界中のプレイヤーが賭けたお金の一部が賞金として積みあがっていくため莫大な金額に膨れ上がっています。
過去の当選者をみると1億円どころか数十億円もの高額賞金を手に入れたプレイヤーがたくさん登場しています。
日本人でも1億円以上の当選者がでています。
スマホさえあれば画面を開いてから1分もかからずこのジャックポットスロットを回せる状況が整ってしまうわけです。
そのためちょっと時間があったら「回してみるか」となってしまいやすいんですね。
さらに配当が小さくても1回のベット額を高額にできるため、一発逆転狙いしやすい環境なもの依存症を悪化させやすい要因と言えるでしょう。
マックスベット額100万円超えのゲームが多数あるため、一か八かで無謀な賭けに出てしまう可能性は否定できません。
以上のような特徴があるので、オンラインカジノはほかのギャンブルより依存症になりやすいといえます。
就業中でもちょっとしたトイレ休憩時にワンプレイできてしまいますからね。
それどころか、人から見えないところなら他の従業員がいるところですらプレイすることができてしまいます。
そして隙間時間があるたびにプレイしてしまい、気が付いたときには依存症になって手遅れに・・・、というケースもあるのです。
オンラインカジノ依存症になりやすい・なっている人の特徴
オンラインカジノ依存症になりやすい人の特徴
- 我慢強い人
- 甘え下手な人
- 親がギャンブル問題を抱えていた人
我慢強い人
借金してもなんとか家族に知られず返済しようと頑張ってしまいがちです。
家族にバレたら家庭崩壊するかも、など悶々と悩みながらどうにか返済するためさらにオンラインカジノにつぎ込んでしまう可能性も。
甘え下手な人
甘え下手な人も家族や他人に相談できず、一人で抱え込んで沼にハマっていってしまいやすいでしょう。
我慢強い人も同様ですが、子供時代の養育環境が影響していることも多いようです。
親がギャンブル問題を抱えていた人
両親がギャンブル問題を抱えていたりすると子供もそうなってしまうパターンも。
子供は常識が身についていないころから、一番そばにいる他人=親をみてスポンジのようになんでも吸収し成長していきます。
オンラインカジノが日本で広まり出してからの歴史はまだ10年少々ですが、パチンコなどほかのギャンブル依存症でも一緒です。
そういった親を見て大人になった人は依存症になる傾向があるようです。
オンラインカジノ依存症になっている人の特徴
- お金の管理・使い方がおかしい
- 大勝ちした体験が忘れられない
お金の管理・使い方がおかしい
遊びやすいギャンブルなので、やめ時が見つからずに手持ちのお金が底をついてしまいます。
しかし遊びたいという気持ちを抑えきれません。
ましてや負け続けていた場合は、何とか取り戻したいという心理が強く働きます。
人間は得したときより損したときの方が感情の揺らぎが大きいといわれていますからね。
生活資金を切り崩して挑戦しては、また負けるというマイナスのループが止まらない状態になっていきます。
その結果、最終的に闇金に手を出してしまうようなケースもあるわけです。
オンラインカジノだけで暮らしていけるほど勝っている人にもオンカジがやめられず依存症になっている人はいると思いますが、この場合はマイナスのループには入らないので依存症とは思われないんでしょうね。
「依存症」とはうまくいっていない人に対して使う言葉と言えます。
大勝ちした体験が忘れられない
その他のパターンとしては、ビギナーズラックの衝撃から抜け出せないことが挙げられます。
物珍しさからオンラインカジノを試しただけなのにいきなり大勝ちしてしまうケースは珍しくありません。
わずか1000円分のチップを賭けただけなのに、数十万円分のリターンを得るような人もいます。
そうなるとオンラインカジノ依存症に片足を突っ込んだといっても過言ではありません。
過剰な成功体験をしたことによって、その喜びが脳みそに強く焼き付けられて忘れられなくなってしまうのです。
どのようなギャンブルでも勝ち続けられる仕組みにはなっていません。
大勝ちできる場合もありますが試行の総回数を考慮すると非常に低い確率です。
それがたまたま最初に起こっただけでそれ以降にも連続で発生する可能性はほとんどありません。
場合によっては二度と起こらない場合もあるでしょう。
客観的に考えれば誰にでも分かることですが大きなリターンは正常な思考力を奪ってしまいます。
理論的には分かっていても潜在意識に埋め込まれた喜びがセーブを許しません。
次こそは勝てると信じてチャレンジを続けてしまい初心者でありながらオンカジ依存症から抜け出せなくなるのです。
また他のギャンブルと比べて還元率が高いことも大きく関係しています。
負けが続いていても一発逆転が可能だと感じやすいです。
そういう成功談があることも事実でありそれを聞いたことがあると諦めにくくなります。
一攫千金も夢ではないことは大きな魅力ですが同時に大きな罠になっていることも覚えておきましょう。
このような事情があるのでオンラインカジノへの依存度が上がらないように対策しておくことが欠かせません。
オンラインカジノ依存症対策にはどんなものがある?
運営会社によっては対策に役立つ仕組みを設けているケースがあります。
依存度を上げたほうが運営会社の利益につながると思う人もいるでしょう。
しかし破綻して引退されるよりも、健全に遊び続けてもらうほうが長期的な収益を期待できます。
そのような楽しみ方ができると評判が良くなって、集客力が向上することも多いです。
仕組みの具体例としては上限の設定が挙げられます。
そういった機能を利用する方法のほか、依存症対策の基本的な治し方として以下の例を紹介していきます。
- オンラインカジノのプレイ制限設定を利用する
- オンラインカジノの収支を記録する
- 迷惑をかけたリストを作成する
- オンラインカジノ以外に興味が持てるものを見つける
- 医療機関で診てもらう
1つ1つ見ていきましょう。
オンラインカジノのプレイ制限設定を利用する
1日にプレイが可能な回数や入金できる金額をシステムに入力しておけるようになっているオンラインカジノも多いです。
そうするとそれ以上はベットできなくなるので、強制的にストップせざるをえません。
ロス制限なども考慮して無難な値を設定しておくといいですね。
オンラインカジノの収支を記録する
オンラインカジノ内にもゲーム履歴を確認できるページがありますが、自分で記録することでどれだけお金を失っているのかを認識させる方法です。
軽度なオンラインカジノ依存症なら改善も見込めるでしょう。
重度ならそもそも記録すらとってくれないかもしれませんしあまり効果が期待できないでしょう。
迷惑をかけたリストを作成する
オンラインカジノ依存症になったことで家族や周囲にかけた迷惑リストを作ってもらいます。
自分がどれだけ迷惑をかけているのかを認識させる方法です。
とはいえ依存症になっている人が真面目に取り組んでくれるとは限らないので、対象者により効果が限定される方法です。
オンラインカジノ以外に興味が持てるものを見つける
これはほかの欲望で気持ちを満足させていくことで治療を進める「欲望充足法」といいます。
オンラインカジノ以外の娯楽に興味を持たせることも有効です。
その根底にあるのは、お金への興味を失わせることに他なりません。
目の前でお札を破くというショック療法が有名ですが、いきなりそのような過激な方法を選択しなくても大丈夫です。
まずは、お金の価値観が薄くなるような空間で過ごすようにしましょう。
キャンプやトレッキングのように、自然のなかで楽しめる娯楽がうってつけです。
完全に治るまで、スマートフォンに触れる頻度を下げることもポイントになります。
帰宅するのと同時に、家族に預けるといった工夫をすると良いでしょう。
医療機関で診てもらう
これが一番おすすめです。
ネットで得た治し方の知識でいくら頑張ってもうまくいかないことの方が多いでしょう。
専門家の力を借りるのが一番確実です。
まだ症状が軽いとしても医療機関を利用するほうが悪化する可能性を防げるはず。
ギャンブル依存所を精神的な病の一種と考えている医師が多く、健全に戻りたいなら熱心に指導してくれます。
とはいえお金もかかります。
オンラインカジノ依存症が治らないときどうすればいい?
上で紹介したような方法でもオンラインカジノ依存症が治らない人もいます。
ではどうすればいいのか。
オンラインカジノの依存症限定ならネット環境がない場所で生活するのもありですが、依存症がひどいならすぐネット環境のある場所へ行ってしまうでしょう。
またオンラインカジノだけ対策したところでほかのギャンブルに手を出してしまうでしょう。
となると人の力を借りるしかありません。
ギャンブル依存症に明るい医療機関や支援団体を頼りましょう。
そこでギャンブル依存症になった人とその家族を救うための機関を紹介しておきます。
- 依存症対策全国センター
- 全国精神保健福祉センター
- 金融庁 多重債務者用相談窓口
- NPO法人 全国ギャンブル依存症家族の会
- 公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会
ギャンブル依存症の治療・支援機関
依存症対策全国センター
ギャンブル依存症の相談窓口や治療機関を探せるページです。
薬物依存症やアルコール依存症など依存全般もカバーしています。
全国精神保健福祉センター
- 住民の精神的健康
- 精神障害の予防
- 精神医療の推進
- 社会復帰の促進
- 自立と社会経済活動への援助
など
ギャンブル依存症だけでなく引きこもりなど精神的な病全般を支援する組織です。
多重債務者向けの相談窓口
金融庁 多重債務者用相談窓口
このページからエクセル表をダウンロードしてご利用ください。
ギャンブル依存症の支援団体
NPO法人 全国ギャンブル依存症家族の会
ギャンブル依存症の家族がいるご家庭のために治療に向けた必要知識をシェアしたり、同じ悩みを抱える家族同士で支え合うことを目的とした団体です。
一人で悩んでいても解決は難しいため、仲間と一緒に対策をとっていきましょう。
各地に団体の拠点があるのでまずはそちらへ連絡してみましょう。
公式サイト上に電話番号や問い合わせページがあります。
公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会
ギャンブル依存症の家族を抱えるご家庭を支援するための団体です。
- 困っているご家庭への支援の提供
- 正しい知識の啓発
- ギャンブル依存症にならないための予防教育
- 他のご家族との連携
などに力を入れています。
相談は公式サイト上の電話番号へかけるか、定期的に開催されている家族相談会に参加しましょう。
予約必須なのでこちらも電話でお問い合わせください。
まとめ
ギャンブル依存症の中でも深刻になりやすいオンラインカジノ依存症についてまとめました。
依存症対策はオンカジ運営側も対処していますが、できることは限られますし、結局は個人の裁量しだいとなってしまいます。
オンカジは遊びやすすぎるので、スマホの管理にも注意しないとなかなか依存症脱却は難しいかもしれませんね。
もし家族がオンラインカジノ依存症になっているなら、協力も必要になるでしょう。
一人で脱却できるならそもそも依存症にはならないと思いますからね。